加藤 悦子

定価: ¥ 3,990
販売価格: ¥ 3,990
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発売日: 2005-02
発売元: クレス出版
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介護殺人―司法福祉の視点からを友人に薦められて読みました。
最初は何気なく読んでいたのですが、、
読み薦めるうちに介護殺人―司法福祉の視点からの世界に引き込まれる私自身を発見していました。
まぢで、ヤバイですよ。これほど圧倒的な世界観を訴えかける書籍には久しぶりに出会った気がします。
レビューには介護殺人―司法福祉の視点からの他の読者の感想も多く寄せられているようです。予想通り好評価が多いようです。
他人事ではない未来に
刺激的な書名だが、日本福祉大学の博士論文を書籍にしたもの。
先の見えない介護に希望を失い、段々と周囲の状況が見えなくなり、ついには手をかけてしまう「介護殺人」事件の発生背景の研究を通し、その予防策を検討する。特に、以下の4件のケースを深く掘り下げる。
・夫が妻を道連れに、無理心中を試みた事件
・息子が母に暴力をふるい、死に至らしめた事件
・虐げられていた嫁が痴呆の姑を殺害した事件
・長男である息子が母を遺棄した事件
要介護状態発生前に遡り、当人の心情、周囲の人間関係などの社会環境、置かれていた文化的な環境などを淡々と同一フォーマットで記述していく。一切の脚色を交えない事実の羅列に目を通すうちに、一言一言が重く意味を持って迫ってくる。
その中から浮かび上がるのは、まったく同じ状況に置かれたら、自分だって同じことをしてしまうだろう、という共感だ。だからこそ、現在の司法では、根本的な解決にはならないという著者の主張にも強くうなづける。
現刑法は「理性的、合理的人間像」を前提に量刑判断する。犯行当時の理性の有無が重要になり、精神鑑定に重きを置くわけだ。だが介護殺人の素地は、客観的に合理的な判断が取れない状況にまで自分を追い込んでしまうことから醸成される。
著者は、検察の調査を被告個人の資質に留めず、ケースワーカーなどの専門職を配備して、追い込まれる環境要因まで含めて量刑判断に盛り込む「司法福祉」の必要性を説く。個人に対しての刑罰が抑止力になるのは、合理的な状態の人間に対してだけだ。ならば、追い込んだ環境の原因まで踏み込んで学び続けることで、必ず再発防止につなげられる、というのが著者の論旨だ。
